シルクロードと山陰(環日本海松江国際交流会議編)


「環日本海」ということばが、とんと聞かれなくなりました。この本は、1990年11月に松江で開催された、中国の寧夏島根県の地域レベルの交流を進めようと企画され、特に、シルクロードにスポットを当てて、開かれた会議の報告書になっています。

寧夏と島根は、中央から離れた辺境の地です。その地域が互いに協力し合い、理解を深める姿勢が感じられます。特に農業開発に於ける技術交流は熱心に行われました。当時の北川泉農学部長の力も大きかったのでしょう。この本でも基調講演が載っています。

自治体や大学の交流は、地方交付税や大学の交付金がふんだんにあったバブル経済のまっただなかのこの時期に盛んに行われましたが、いまでは、すっかり、貧乏状態の県や大学が、なかなかこのレベルの地域交流ができなくなっていますね。残念なことです。

(環日本海松江国際交流会議発行、1991年)