入門国境学(岩下明裕著)


「国境学」という学問が最近注目されています。国境をここまでが自分の領土と主張するだけでは、相手と衝突を繰り返すことになります。そうならないように国境をどういうふうにさだめていくのか。それはナショナリズムとの折り合いをどうつけるかという問題でもあります。

また、岩下氏はボーダーツーリズムという国境の旅を推奨していて、国境に実際に行ってみることの大切さを説いています。国境には世界の縮図がありますね。返せ、俺の領土だと、互いが譲らねば戦争になります。どう折り合うか、どう
暮らすか、国境は、国と国の問題ではなく、そこに住む人たちの問題だと思います。

中公新書、2016年)