永井輶 平和と祈り 愛に生きた医師(中井俊己著)


永井輶は、雲南市三刀屋町に生まれた医師。長崎で原爆症になりながらも、人々を救済し続けた、それはそれは、偉大な人です。永井輶の生涯を分かりやすく、子どもでも読めるようにふりがながついています。

三刀屋の和菓子屋さん、しっぽも一役本舗天満屋さんにいくと、「しっぽも一役」という、かわいいぶたの形をした最中を売っています。これは永井輶博士が、ここの先代との縁で、ぶたのしっぽのイラストを書いてもらった色紙が由来になっています。「しっぽも一役」。だれでも、なんでも、世の中にいらないものはない。原爆で苦しみながら、多くの人が死にました。だけど、無駄な人生もないし、無駄なものもないという博士のメッセージは深いですね。

核廃絶に向けた動きがなかなか進みませんが、永井博士の思いにもう一度立ち返り、戦争を二度と起こさないために、どう行動するのかを考えなければなりません。拳を振り上げれば、相手も身構えます。恐怖や怒りを静めて、愛の力で平和の築きたいものです。

童心社、2007年)