大社という街は、出雲大社のお膝元なので、古くから参拝者が訪れ、観光がさかんでした。参拝客をもてなすには宿屋がいりますし、食べ物がいる。野菜や魚もいるので、農林水産業が盛ん。人が多いので家もいるから職人もいる。というわけで、この大社の百年という写真集をぱらぱらとめくるだけで、出雲大社を囲みながら、分厚い文化と暮らしの堆積があることが分かるのです。
今は合併でなくなった大社町が残しておいてくれたので、後の者が知ることができます。デジタルの時代ですが、きちんと書籍にして歴史を残しておくことが、いつまでたっても大切なことですね。
(大社町教育委員会、1990年)