山陰の文学と碑(遠藤仁誉執筆)


山陰中央テレビがシリーズとして出版していた「暮らしのしおり」シリーズの一つですが、制作したのは山陰中央新報とのことです。

タイトル通り、山陰地方にある文学者の関係に石碑を集めたものです。邑智郡には、斎藤茂吉が、柿本人麻呂の臨終の地として見定めた湯抱の石碑が、もっとも切なくて好きです。柿本人麻呂が臨終したという「鴨山」を「ここだ」と断定したのですが、これは異論もいろいろあります。ただ、斎藤茂吉の執念が感じられて好きです。

その柿本人麻呂の石碑は、江津市都野津の人麻呂神社、益田の柿本神社にもあります。石見と言えば人麿。その石見人の思いが、石碑を作らせてしまうのですね。
山陰中央テレビ放送、1978年)