ブッダの生涯(中村元著)


松江市生まれの偉大な東洋思想家・中村元(はじめ)の著作です。松江市八束町大根島)には、中村さんの3万冊に及ぶ蔵書を集めた中村元記念館もあります。

中村さんは1才までしか松江に住んでいませんでしたが、松江のことが大好きで、いつも人へのおくりものは松江から和菓子を取り寄せて贈っていたそうです。そんな松江に中村さんの知性の源となった蔵書があるなんて素敵なことです。

仏教のことは分からない。なぜ、日本人は仏教を信じて、そして、近代化と共に仏教を離れたのか。最近ちょっと気になります。

この本はブッダの生涯を通じて、お経の入門書になっています。「西洋の思想はどちらかというと個人主義で、詰めたい感じがする。それにたいして、東洋の文明には温かさを覚える」と話されています。

そんな知性の片鱗に触れてみたいと思いました。

岩波書店、2001年)