探訪ブックス「日本の城」6山陰の城(小学館の城郭シリーズ)


いま、結構な勢いで城ブームが来ているそうですね。そして、熊本地震で熊本城が壊れたときに熊本市民が抱いたであろう、何か支柱が壊れたような感慨が想像できて胸が痛みました。城は、戦争を象徴する人間の醜さの表れだと思います。何を守ろうとしたのか、戦国時代に人の命が軽かった時代を経て、今があると思うと、そのブームも、底の浅いブームに終わらないことを祈るのみです。

ただ、町にとって、城はその町に住んできた人々の記憶や伝統の象徴的な存在ですね。この本を手に、それぞれの町のそれぞれの歴史に思いをはせるのもよいかと。

小学館、1989年)