妙好人と石見人の生き方(神英雄著)


石見には、妙好人みょうこうにん)という、浄土真宗で言うところの、信心深く、人に愛され、そして、一つの物事をこつこつやり、人のいやがることでも率先してやり、まるで、雨ニモマケズに出てくるような、懸命に生きる人のことを言っているように思います。全国に妙好人は数々いるのですが、石見には、水上勉も書いた浅原才一や、有福の善太郎など、著名な妙好人がいます。

その妙好人が石見に多いとかんじた著者が、石見を丹念に歩いてまとめ、石見人の特質、精神性、宗教性などを含めて、石見人(いわみびと)の心象風景を深く理解し、記しています。湖鹿堂も生まれは石見。石見に移り住んだ神さんの視点で石見を表現してもらいました。そして、ああ石見人でよかったと思うのでした。
(自照社出版、2013年)