島根の神楽〜芸能と祭儀(島根県古代歴史博物館編集)


島根県の神楽は、石見神楽が最近は、ショー化しているので、少しつらい部分もありますが、邑智郡の中心とした大元神楽などの昔の話を聞くと、「神がかり」という、神楽の最中に神さまが乗り移った人が出て、吉凶を定めたそうです。神楽は当然ながら神の楽しみと書くように神事ですが、明治時代になって、神職が神楽を舞うことを近似されて、氏子が舞うようになったという歴史もあるそうです。

ところで、出雲、石見、隠岐の神楽は、そのリズムや衣装、ストーリーなどが微妙に違い、面白いですね。リズム感がよい石見、荘厳な出雲、奔放な隠岐と、それぞれ特徴がありますが、この図録は、そうした3つの神楽の違いを、儀式や舞、ストーリー、衣装などから読み解くことができます。

(日本写真出版、2010年)