柿本人麻呂の石見(神英雄著)


万葉の歌人柿本人麻呂が、どこで生まれて、どこで死んだのか。日本文学史上、この謎は延々と千年以上にわたって、研究されたり、言い伝えられたり、我田引水したり、創造したりと、その膨大な試論、私論が行き交っています。ただ、未だに確定的なセツはないようです。

著者は、青森県の出身ですが、当時は石正美術館の学芸員を務めておられ、数々の著作を発表しておられます。

柿本人麻呂の伝説がのこる石見の各地を踏破されて、終焉の地とされる鴨山の場所を探したり、石見相聞歌の舞台を探したりと、エネルギッシュに動いて、その実地に歩いた研究から柿本人麻呂の石見に於ける実像を探ったものです。

(2010年、自照社出版)