地方文化のカルテ〜あるジャーナリストの戦後史(信太澄夫著)


山陰文化シリーズが続きますが、今回は44番目。朝日新聞の記者を務めた後、島根のお隣の日本海新聞の編集局長を務めたり、山陰放送の役員を務めたりして、松江にもいたそうです。そういうことで島根本の一つ。

優れたジャーナリストというのは、腹の据わった人で、戦争の過ちを知っている人です。そういう意味で、戦争が遠くなったときに、ジャーナリストの使命は分からなくなってくる人たちが増えるように思います。あくまで反権力を貫けるか。地方だろうが、中央だろうが、そこがずれたら、それはただのライターです。

その点、著者は、一読して、骨のあるジャーナリストだと感じました。

今井書店、1973年)