名将山中鹿之助(南原幹雄著)


「我に七難八苦を与えたまえ」という有名なせりふでしられる山中鹿之助。毛利に滅ぼされた尼子家の再興を目指して、各地を転戦して、一時的にせよ家の再興を果たした勇猛ぶりと、忠義の心が、今も人々の心を捕らえてやみません。

ただ、この「忠義」を悪用したのが戦前の教育で、命を捨てても家を守れ、国を守れという思想に利用されました。そのことから逆に戦後には、あまり好まれない人物になっているのかもしれません。

そんなことは置いておいても、山中鹿之助という人物をみていると、逆境にあっても常に初志を貫徹することが、人々を引きつけることがよく分かります。山中鹿之助、もう一度スポットが当たってもよいかもしれませんね。

角川書店、2007年)