激動二十年 島根県の戦後史(毎日新聞社)


戦後20年の島根県内の出来事を詳しい取材で構成しています。特に竹島の記述の中には、1953年6月25日に、隠岐水産高校の実習船鵬(おおとり)丸に乗船して、竹島の戦後一番乗りに成功した、元毎日新聞西郷通信部主任の里見慶三氏の手記が載っていて貴重な記録になっています。

県庁焼き討ち事件、出雲大社遷宮斐伊川改修、電源開発、南米移民、松江競輪の廃止、教員のハンストなど、目次を見るだけでも、波乱の20年だったことが分かります。戦前の秩序が壊れ、新たな力関係などが生まれていく過程で、せめぎ合いが起こります。戦後70年経ってみると、こんなすごい出来事が立て続けに起きたら、大変だったろうなあと思うのでした。

(1965年、毎日新聞社西部本社)