津和野藩ものがたり(山陰中央新報いわみ開発編)


津和野藩の地図って見たことがありますか?津和野がある昔の鹿足郡くらいだと思っていると大間違いで、石見部の山間部に広大な「飛び地」があります。邑智郡邑南町の日貫、金城の波佐などで、その広大な飛び地では紙やたたら製鉄が行われていました。

明治維新から明治にかけて、西周とか森鷗外など人材を次々に輩出したのは、名君の亀井家の当主たちの人徳もあったのでしょうが、石見全域で貧しいながらも紙や鉄でかせいだことが、大きく花開いたことにつながったのではないでしょうか?

津和野藩ものがたりは、山陰中央新報に14〜15年にかけて連載された郷土史家たちの津和野藩の歴史の集大成です。石見の本質的なことを知ることができます。

山陰中央新報社、2016年)

チズラーズ(ブレンダン・オキャロル著、伊達淳訳)


夫を亡くした女性が7人の子どもたちを育てる物語。兄弟姉妹の個性が耕作して、家族とは何か、兄弟とは何か。アイルランドのダブリンを舞台にした家族の回復の物語です。

このほんがなんで島根に関係あるのかというと、訳者の方が松江市の在住で、1人で立ち上げた出版社が恵光社なのです。応援したいですね!

(恵光社、2011年)

神話のふるさと(加藤螵著)


神話の舞台といえば、古事記の3分の1を占めるという出雲神話に代表されますが、例えば、宮崎県の高千穂の天孫降臨の神話など、全国にその神話が残っています。このカラーブックスの神話のふるさとは、出雲だけではなく全国の神話の舞台を訪ねて、日本古来の神話を体系的に学べるようになっています。

カラーブックスシリーズは、カラー写真を取り入れて(でも結構モノクロが多い!)でも、島根の登場するシリーズもあるので、また紹介したいと思います。

保育社、1968年)

神話のふるさと(山陰中央新報社編)


出雲大社遷宮を前に、出雲神話の舞台を訪ね歩いた、山陰中央新報の連載記事を1冊にまとめた本です。神々の神話が息づく、出雲の神社、神話の伝説が残る場所、神話を伝承する芸能、祭りなど、神話にまつわるさまざまな場所を訪ねる紀行文的な内容です。写真医にもちからが入っていて、普通のガイドブックでは味わえない深みのあるガイドブックとしても活用できます。

(2012年、山陰中央新報社)

旅の絵本?(安野光雅著)


南ヨーロッパの農村から、にぎやかな街、そして、港町へと視点をうつしながら、街の風景が広がります。旅の絵本シリーズの第2作です。この絵本には文章が一切ないのですが、この絵を見ながら、お父さん、お母さんが、子どもたちに、街のでき方とか、人々の暮らし方、街の風景などについて、語り聞かせながら、ページをめくると、それは親子の楽しい思い出になります。私も子どもたちに絵本を読んだことがありますが、この絵本を読ませれば良かったなあと思います。

福音館書店、1978年)

暮しの手帖1世紀75号(暮しの手帖社)


暮しの手帖の初代編集長は、花森安治さん。このブログでも紹介しましたが、戦前の旧制松江中学(現島根大学)に在学して、東京帝大に進学しました。奥さんも松江の人。NHKの連ドラ・ととねえちゃんでブレイク中ですね。

1世紀の75号は、花森安治が松江を紹介する紀行文を書いている号です。水の町を特集する一連の記事の一つとして、花森自身が松江の待ちに寄せる思いを書いています。町の暮らし、行商の人たちの動きなどを交えながら、水の都松江の風情を思いラーたっぷりに描いています。松江人必読です!

暮しの手帖社、1964年)

まんが出雲むかし話(岩田廉太郎著)


手塚治虫の弟子で鳥取市生まれの漫画家が、出雲に残る昔話を漫画でまとめた本です。出雲新聞社で連載されたそうです。

玉造温泉のお湯がみつかった逸話を描いた「湯之助と白鹿」。白鹿を追いかけていった猟師が、懸命に追いかけたのですが追いつかず、でも懸命に追いすがる気持ちが尊いということで、白い鹿が「家に帰って雪がないところを掘ってみろ」と言われて、帰って掘ってみるとお湯が吹き出したという話しです。自分を殺そうと追いかけてきた猟師を白鹿が「敵ながら見上げた奴じゃ」ということでごほうびと言うことですが、それはそれで、どうでしょう?いろいろな「教訓」がありますね。

(1994年、出雲新聞社)