庭園日本一 足立美術館をつくった男


安来市足立美術館といえば、横山大観など日本の近代画家のコレクションが有名ですが、最近はむしろ日本庭園の美しさによって、世界へ情報発信されていて、海外からも多くの観光客が訪れるようになっています。これが、たった一人の男が、木炭の運び屋さんから始めた一代の男の結晶とはこれはまたすばらしいことです。

その男の名は「足立全康」。車を引いて、安来の奥から安来港まで炭を運ぶ「運び屋」からスタートし、途中ではこぶだけではなく、ほしい家に少しずつ配達をするようになったという。知恵が回り、人に愛されるのだろう。そして、園運び屋を振り出しに約30もの職業を経験しながら、商売で成功していきます。

そういう男の人生を重ね合わせながら、足立美術館を訪れると、その執念と誇りの一端を、絵画や庭園から見ることができるのではないでしょうか?

(2007年、日本経済新聞出版社