松平不昧(内藤正中、島田成矩著)


島根の歴史といえば、内藤正中先生という評価があって、「島根の歴史」など島根の正史は内藤先生が書いてきました。その内藤先生がかかれた松平不昧は、茶人としては優れた殿様だが、名君との評判を覆す内容になっていると前書きに告白があります。

松平不昧は、松江城の価値が上がれば、「名君であってほしい」という松江の人の気持ちが、名君像をつくってしまうのも仕方がないかもしれませんが、資料に忠実にあろうとしたという内藤先生の成果にもしっかり耳を傾けなければならないでしょう。

(松江今井書店、1998年)