神々の国の旅案内(ラフカディオ・ハーン文、村松真吾訳編)


小泉八雲ラフカディオ・ハーン)は、松江で過ごしたわずか一年あまりの間に、出雲のいろいろな所を旅しています。それは、やはり、すぐ松江を後にしてしまうのですが、すこし急いでいるようにも思います。八重垣神社や嵩山くらいなら分かりますが、隠岐にもいくわ、出雲大社にもいくわで、学校の先生をしながら、よくもまあこんなに旅ができたもんだと思います。

ただ、ずっと住んでいる者が、あらためていろんなところに行こうとはおもいません。八雲は松江を近く去ることになるのを最初から予感していたんでしょうね〜。寒いからというよりも、一つ所にとどまれない流浪の血が騒いだのかもしれません。

それにしても、八雲の言葉で案内された出雲の名所を回ることができるなんて、なんて出雲は恵まれているのでしょう。

(八雲会、2014年)