日本石巡礼(須田郡司著)


巨石ハンターを名乗る著者は、出雲市大社町出雲大社のすぐ近くに住んで折られて、おくさまが「まないな」というおしゃれなカフェもやっておられます。出雲大社の近くで過ごしたいと言うことで、移住されてきたそうです。

その巨石ハンター世界を股にかけて、石を撮影し、その石にまつわるいわれや信仰の対象となった由来などを調べています。石は永遠の象徴であり、大地が作りだした造形美であり、あんな重いものをどうやってこんな形にしたんだろうという創造主を連想させる宗教的な象徴でもあります。

この本では島根県の琴引山の石が紹介されていますが、石の信仰は自然崇拝の元祖で、石が神社の元宮になっている例も多いことから、日本では原始的な宗教から現在の神道に至る信仰の中心的存在だったことが分かります。

日本経済新聞出版局、2008年)