山陰を旅する人たち(上村武男著)


若狭の国から長門まで、広い山陰地方を東から旅しながら、その地の出身の作家たちを取り上げて紹介しています。山陰という風土が、作家としての精神性にどのように影響しているのか、考えさせられます。

島根からは、石見益田の田畑修一郎、安来の河井寛次郎、温泉津の浅原才一が取り上げられていますが、こうしてみると風土と人というのは、つながっているんだなあと思います。そして、何か共通項として、古里を心にもちながらも、古里を後にする精神的な面として「放浪気質」があるのかと思いました。

編集工房ノア、1989年)