島根郷土史ノート(藤岡大拙著)


島根の語り部、藤岡大拙氏が、島根県立図書館の職員として務めておられた時代に、島根新聞(山陰中央新報の前身)に寄稿された、島根県郷土史に関する論考や随筆的な雑感などを集めて、出版されたものです。

読み進めていくと、藤岡氏が教員時代から、ずっと歴史に興味を持ち、今でも数十年にわたって続いている古文書を読む会なども、島根の歴史に対する県民意識を高めようという試みをずっと続けておられます。

島根は今では歴史を大切にしたような格好をしていますが、少し前まで、開発本意で、文化財を簡単に壊してしまうような姿勢(今もありますが…)が続いていたと思います。ただ、最近は「歴史が金になる」という歴博の成功や古代出雲についての人々の関心がアップしていて行政も姿勢が変わってきているような感じです。こうした取り組みも、藤岡氏や盟友だった藤澤秀晴氏らが地道な取り組みをされてきたからだと思います。

藤岡氏の原点がこの本に詰まっています。

山陰中央新報社、1977年)