銀山社会の解明(仲野義史著)


著者は石見銀山資料館の館長さんで、熱心な銀山の研究者。近世(江戸時代の銀山社会がどうなっていたのかを、古文書などの資料を丹念に読み込み、江戸時代の銀山運営を明らかにしていきます。

山あいの大森の地域にどのように人が集まり、銀山から得られる仕事や利益をどう配分したのか。またその利益を元に、木炭や木材の生産に欠かせない山を買うなど、資金を生かした投資も行っています。そういう風にみると、江戸時代も銀山を中心にさまざまな経済的な展開や関わりがあったことが分かります。

世界遺産、の全容を知るのに不可欠な本ですね。

(清文堂、2009年)