風が強く吹いている(三浦しをん著)


 三浦しをんさんの小説は、どれも面白くて、思わず一気読みしてしまうのですが、この風が強く吹いているも、徹夜必至のスポーツ&青春小説です!

 けがのために実力がありながら、箱根駅伝とは無縁の生活を送っていた主人公のハイジだが、天才ランナーのカケルと出会い、もう一度、走ることにした!貧乏学生が集う、アパートに住む同居人たちをそそのかし、箱根駅伝に挑戦する。

 そんなに簡単に箱根駅伝を走れるのか、という疑問はさておき、登場するメンバーの多彩さで、面白さは抜群。しをんさんの小説の中でも、かなり好きな小説です!(「舟を編む」と神去りなあなあ日常」の次!みんな面白すぎる)

 で、なぜ島根の本かといいますと、主人公のハイジの出身地が島根県という設定なのです。このハイジは、こつこつと下積みをしながら、人を動かしていく手法が、島根県出身の故・竹下登元首相のやりかたを彷彿とさせるところがあるのではないかと思います。ぜひ、三浦しをんさんに会う機会があったら、ハイジをなぜ島根県出身という設定にしたのか、聞いてみたいと思っています。

(2006年、新潮社)