現代思想2013年12月臨時増刊号 特集「出雲」


 2013年は出雲大社遷宮の年で、出雲の神話や文化が再評価された年でした。さまざまなガイド本なども数多く出ましたが、現代思想の特集は本当にふかくて、現代の歴史研究者や思想家、ライターたちが、多岐にわたるテーマについての文章を寄せていて、読み応えがありました。

 筆者と特集を少し紹介しますと、瀧音能之「口語訳国引き神話」、三浦佑之&赤坂憲雄「討議 出雲は何を問いかけるか」、千家和比古「出雲国造の祭儀の思想史」、関和彦「島根半島四十二浦巡り、山陰からの日除け」、松本岩雄「考古学から見た出雲の祭祀」など、もう、この世界では、それはそれは、錚々たる面々で、いちいち面白い。

 いったい、ここまで人々を引きつける出雲というのは何という存在なのでしょうか。大和朝廷に滅ぼされたのか、オオクニヌシとは、スサノオとは何者か、本当になぞだらけでいまも分からないことだらけですね。その「不明さ」が、出雲の魅力なのかなあと言うぐらいしか素人には言及できません。

(2013年、青土社