新山陰小説風土記(小糠しのぶ、西尾肇、岡部康幸著)


山陰両県の街が舞台になっている戦後の小説を150回にわたって、山陰中央新報に連載した記事をまとめたそうです。内訳は、山陰全体を舞台にした「山陰両県編」が11作、「出雲編」が53作、「石見編」が33作、「隠岐編」が14作、「因幡編」が24作、「伯耆編」が15作となっています。

やはり多いのは、旅情ミステリー作家による作品ですね。松本清張砂の器はもちろんですが、島田荘司内田康夫などの有名どころもいろいろと作品を残しています。

歴史物では、有吉佐和子出雲の阿国とか南条範夫の出雲の鷹など、歴史を描いた作品がありますね。

島根県出身の作家にも注目したいですね。大田市温泉津町出身の難波利三は「イルティッシュ号の来た日」が有名ですし、出雲市出身の松本侑子大田市出身の佐藤洋二郎の、松江市出身の藤田武嗣の作品も島根でもっと詠まれてもいいかなと思います。

山陰中央新報社、1995年)