出雲神話の誕生(鳥越憲三郎著)


出雲の研究は、進んでいるようで進んでいない、分かっているようで分かっていない、そして、なんかねじ曲げられているように感じる人が多いようです。この本も、出雲神話の誕生の経緯に着目し、それが、大和朝廷に対する出雲の国の人々がどのように扱われたのか、古事記日本書紀には、多くの出雲神話が描かれているのはなぜかという謎に行き着きます。そこが、研究者を引きつけてやまないところでしょうね。

この本は1966年に出版された本を文庫版で復刻したものです。

大和が陽なら、出雲は陰。太陽と月、表と裏。出雲の不思議な存在感について、古事記日本書紀出雲風土記のことを勉強したくなったら、まずはこの一冊、ですね。

講談社学術文庫、2006年)