芋代官(田中通著)


「芋代官」とは、大森天領で今も敬愛を集める、代官井戸平左衛門のこと。田んぼが少なく、山ばかりの石見地方では、江戸時代も飢饉が起きていました。江戸から派遣された代官の平左衛門が、飢饉から人々を救うために、芋を植え、育て、領民を救ったのですね〜。

たぶん、石見銀山で栄えた大森には、土地で生産される食べ物に比べ、人が多く住んでいたのでしょうね。たたら製鉄の途絶えた後で、過疎が起きたように。ただ、当時の人は自由に逃げ出すわけにはいかなかったでしょうから、飢饉が起きたのではないでしょうか。芋を植えればすべてが解決したわけではないでしょうが、いまでも地元に愛されるからには、その人柄などが地域の人々の心に残ったのでしょう。

浜田の柏村印刷が出版元になって出された貴重な本ですね。

(柏村出版、1988年)