大田市

芋代官(田中通著)

「芋代官」とは、大森天領で今も敬愛を集める、代官井戸平左衛門のこと。田んぼが少なく、山ばかりの石見地方では、江戸時代も飢饉が起きていました。江戸から派遣された代官の平左衛門が、飢饉から人々を救うために、芋を植え、育て、領民を救ったのですね…

他郷阿部家の暮らしとレシピ(松葉登美著)

石見銀山に近い大田市大森町にある、群言堂は、布小物の販売などから事業を興し、今では、手作りの素材や季節を感じながら暮らしたり食べたりする、「暮らし方」の発信基地として、全国から注目を浴びています。なんということはない昔ながらの暮らしを続け…

銀のまちをつくった人たちの話(NPO法人緑と水の連絡会議)

世界遺産に登録された石見銀山。その歴史的な価値について、学術的に調べたりしたことがすごいような記がしますが、本当にすごいのはその石見銀山のお膝元の町・大森の暮らしを守った人たちの存在だと思います。例えば中村ブレイスの中村社長、群言堂の松葉…

神名火(佐藤洋二郎)

福岡県出身の作家・佐藤洋二郎さんは、子供のときから高校時代まで大田市で育ちました。この小説「神名火」は、「五十猛」「静間」「波根」「湯抱」という大田市にある地名がタイトルになっている連作短編集です。荒れた石見の海や、岩ばかりの地形という地…

五峰の鷹(安部龍太郎著)

「等伯」で直木賞を受賞した安部龍太郎が石見銀山を舞台した小説「五峰の鷹」。銀を巡る権力闘争と冒険譚ですが、戦国時代には正しいかどうかではなく、強いか、知恵があるか、勇気があるか、という人間の力の争いだということがよく描かれていて、戦国時代…

民藝の教科書1うつわ(久野恵一監修、荻原健太郎著)

島根県は民藝の聖地なのではないでしょうか。ちょっと大げさかもしれませんが、この「民藝の教科書 うつわ」を読んでいると、そんな気分にさせられます。 民芸運動は、柳宗悦、浜田庄司、河井寛次郎を中心に展開しました。生活に根ざした器の中にこそ美しさ…