出雲のことば 早わかり辞典(牧野辰雄編)


著者は平田で長年お医者さんを務めた方。出雲弁のメッカに育ったが、孫がテレビの影響からか、いわゆる標準語を話すようになり、自分の言葉が通じなくなっていることに愕然とし、文化財ともいえる出雲弁を残さねばならぬと、固い決意のもとに編さんされたそうです。そしてもう一つの理由が、医者をしていて、病人の症状を、県外からきた医者や若い人たちに伝えることが難しくなったという実感もあったそうです。

辞典は、すばらしいもので、少しでも言い方が違うようなら、すべて網羅されていて、「あーかや」(あるのか)、「つまんぐい」(つまみぐい)と言った具合に、文字が一つ違うものでも、丁寧に拾われています。これさえあれば、出雲も怖くない!?

(牧野辰雄発行、2001年)