お神楽〜日本列島の闇夜を揺るがす(三上敏視、原章構成)


日本全国の神楽を特集した別冊太陽ですが、宮崎の高千穂、愛知の奥三河など有名どころにまじって、やはり、島根がたくさん載っていますね。佐陀神能松江市鹿島町)、大元神楽江津市桜江町など)、隠岐島前神楽(西ノ島町など)、12の神楽のうち3つが島根でした。

スサノオオオクニヌシなど、古事記に登場する神々などがモチーフになる島根の神楽は、やはり、日本全体をみても、一つの神楽圏をかたちづくっているように思います。

石見神楽などは、神の舞というよりも、ショーの要素が広島側から攻めてきていると、私の友人の神楽好きは申していて、寂しそうにしています。変化を嫌うわけではありませんし、変化というより進化もあるわけです。ただ、湖鹿堂が生まれた地区にあった神楽の舞が懐かしく思い出され、そういう昔ながらの神楽の音と舞が長らく続いていってほしいなと思うのでした。

平凡社、2001年)