随筆

一戔五厘の旗(花森安治著)

旧制松江中学で学生時代を送り、東京帝大を出て、大政翼賛会で働いた花森安治。戦争への強い反省から、暮らしの中から反戦を訴える気持ちで、「暮しの手帖」の創刊に加わります。その、花森の苦悩と反省と、反戦への強い覚悟が現れた、私のバイブルとも言う…

胸の小箱(浜田真理子著)

松江を拠点にしながら、全国に活動の輪を広げている歌手の浜田真理子さんが、歌うたいとして生きていくことを決めた半生をつづったエッセイです。子供時に、スナックを経営する親と妹たちとの間に挟まれて、寂しいと言えずに我慢し続けた日々、歌唄いとして…

出雲和紙〜人と風土(文・漢東種一郎、写真・井上喜弘)

著者の漢東種一郎さんは、松江市収入役を務めた後、随筆など各種の著作を残された知識人です。この漢東種一郎さんの本は、歴史的な深みと共に、自然や風物さらに、人々の生活に根ざした空気感を伝える文章が素敵で、今でも松江の人たちに愛されている人です。…

蝶が飛ぶ葉っぱが飛ぶ(河井寛次郎著)

著者の河井寛次郎は、柳宗悦らとともに、日本の民芸運動を起こした人です。1890年、安来市の生まれで、松江中学から、東京工業専門学校(現東京工業大学)窯業科に進みました。同校の後輩だった浜田庄司と出会い、全国の窯を一緒に回ったりしました。河…