たたら
日本美術刀剣保存協会という組織があり、その略称で日刀保と言われるんですが、この組織が運営しているのが、奥出雲町の日刀保たたらです。著者は、日刀保のたたらを担当する職員で、たたらのことをよく知る人です。日本刀は昔は人を殺す道具であり、権力の…
山陰中央新報が2015年〜16年にかけて週1回連載した企画を本にまとめたものです。5月末に発売になりました。島根県は鉄の王国でした。江戸末期から明治の初めには、中国山地が日本国内の鉄の9割を生産していたという記録もあります。広島の鉄の生産…
かつて中国山地で盛んに行われたたたら製鉄。その全貌をまとめた、渾身の力作です。島津氏は、中国新聞の看板企画「中国山地」の続編の「新中国山地」の取材班の一人として中国山地を回るうち、たたら製鉄に関する取材を蓄積し、あらためて連載企画としてま…
この「中国山地」は、過疎化が急激に進み、くらしや文化が急速に失われつつある1960年代に、中山間地域のくらしを克明に記録した伝説的なルポとして有名です。今でも中山間地域を研究する人のバイブル的な存在で、古書価もかなり高めです。これは二度ほ…
大作家・司馬遼太郎さんの紀行文の集大成であるところの「街道をゆく」シリーズは、旅に行くときにその土地のことを知るために、読んでから行くと、その土地の歴史、風土、文化、人々の性向などが分かります。まっさらな状態で旅に行くのも素敵ですが、司馬…
「六十の逆落とし」 津和野町直地の東端に、青野山麓に連なる奥山にある地名。周辺に人家はなく、昔、六十歳になったら老人を捨てたところと伝え、地名はこれに由来すると言われている。 このような話は、日本中いくらでもあるのでしょうが、すごく具体的で…
石見地域を支えていた鑪(たたら)製鉄と大田市などを中心に栄えた廻船業を結びつけてとらえ、石見の国の成り立ちと産業構成、人々のなりわいを明らかにしようとする本です。郷土の歴史を俯瞰した視点はさすが石見郷土研究懇話会事務局長の児島氏の手腕でし…